シング・ストリート 未来へのうた
2017年の映画はじめとして、飯田橋ギンレイホールで「シング・ストリート 未来へのうた」を観てきました!
すごーく評判が良くて、スクリーンでみたいなあと思っていたけど地方在住で機会もなく…
今回良いタイミングで再映しててよかった~名画座万歳!
【あらすじ】
「はじまりのうた」「ONCE ダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督の半自伝的作品で、好きな女の子を振り向かせるためにバンドを組んだ少年の恋と友情を、1980年代ブリティッシュサウンドに乗せて描いた青春ドラマ。大不況にあえぐ85年のアイルランド、ダブリン。14歳の少年コナーは、父親が失業したために荒れた公立校に転校させられてしまう。さらに家では両親のケンカが絶えず、家庭は崩壊の危機に陥っていた。最悪な日々を送るコナーにとって唯一の楽しみは、音楽マニアの兄と一緒に隣国ロンドンのミュージックビデオをテレビで見ること。そんなある日、街で見かけた少女ラフィナの大人びた魅力に心を奪われたコナーは、自分のバンドのPVに出演しないかとラフィナを誘ってしまう。慌ててバンドを結成したコナーは、ロンドンの音楽シーンを驚かせるPVを作るべく猛特訓を開始するが……。
(引用:シング・ストリート 未来へのうた : 作品情報 - 映画.com)
もうね、最高だった。
80年代音楽も好きなので小ネタも楽しめたし、それが無くても、大好きな作品になったと思う。
人生でベスト3に入るくらい好きな映画になって、本当に観れてよかったあ、と心から思える作品です。
# ここからネタバレあり
不況で街自体が暗い重い雰囲気の中、主人公コナーの父も例に漏れず無職。
父と母は不仲だし、その影響を受けて大学を中退せざるを得なかった兄は引きこもりだし。思春期に家庭の問題があると、音楽とか外に助けを求めたくなるんだよねえ。私も同じだったから痛いほどわかるよお。お兄ちゃんが音楽にのめりこんでいったのも、最初は親の喧嘩の声を聴きたくなかったからかなあとか思って、ほんと自分と重ねて辛くなっちゃった。
お金がないせいで転校した先は、いじめが横行してるし、先生も授業中にお酒飲んでたり校長は独裁者みたいで最悪。
でも、そんなとき、モデル志望のラフィーナとの出会いがコナーの運命を変えて。
自分で状況を打開しようと動きだす。自分たちの音楽を「未来派」と名付け「後ろを振り返らず、前を見る」と。コナーくん、きみ、ほんと素晴らしすぎるよ…
転校してきてすぐはいじめっ子のバリーにやられてばっかりだったけど
自分に自信を持ってからは「お前には暴力しかない」とピシャリ。
コナーの成長が顕著に出てて良いシーンだったなあ。
ラフィーナが「悲しみの喜び」という言葉を使う場面を思い出しただけでも涙がでる。
コナーが「15歳の男の子とつるんで」っていう言葉を聞いて意地になるところも、
それでも音楽でぶつかろうとするところも素晴らしいし、
聴いた音楽にすぐに影響受けちゃう感じもかわいらしい。
結局両親が別居することになって、爆発しちゃうお兄ちゃんも、抱きしめたいくらい愛しい。
バンドメンバーももっと掘り下げられたらうれしいなあと思ったけど、今のバランスがいいのかもしれない。
ご都合主義なところもあるけど、コナーくんの目線を通してみた世界と思うとぜんぜん気にならなかったなあ。
曲も全部よかった~
特にこのワンカットで撮られてる風の「UP」が完成するシーンはすごい!
最初は否定的だったエイモン のお母さんがノリノリになってるのも良い。すごく良い。
あとはやっぱり
「Drive It Like You Stole It」のMVを撮影するシーン。
理想と現実の差にある残酷さをあんなにポップに描かれてグッとこないわけがない。。
とにかく、青春のキラキラと葛藤と、大事な全部がつまった本当に素敵な、大好きな映画。
最後に映し出された「すべての兄弟にささぐ」という監督のメッセージで更に泣いた。
一人じゃないんだなあ。みんな辛いこともあるし、結局は行動するかしないかなんだよね。閉塞感のある世界を変えるのは自分しかいないんだ。
何度も何度も見直したい!
2017* 1 / 100
鑑賞日 2017/1/1